日吉大社のある坂本から比叡山に登り、歩く
【滋賀県・大津市坂本 2023.1.6】
比叡山の正式な山頂は京都府内に属しますが、山上の延暦寺の伽藍はほぼすべて滋賀県内に配置されています。
比叡山への登山道はいくつかあり、なかでも京都・銀閣寺の近くに登山口のある雲母坂(きららざか)を通るルートは人気の道ですが、京都府民以外で一度登った経験のある人なら多くは滋賀県側から登ることを選ぶでしょう。なぜかと言えば、坂本から登るルートを選択すれば、日吉大社の脇を通って、あるいは日吉大社に参拝してから登ることも出来ます。
日吉大社は神をまつる神社です。延暦寺は仏をまつる寺院です。
そもそも日吉大社は、日枝山(比叡山のこと)に地主神として祀られていた大山昨神(おおやまくいのかみ)をいまの地に移したのが始まりです。のちに僧・最澄が比叡山に寺(のちの延暦寺)を開山したとき、その寺を守ってもらうよう守護神として位置づけます。
やがて京に都が遷ると(平安京)、京の都からちょうど北東の位置(丑寅の方角)にあることから鬼門除けとして最大級の崇敬を受けるようになります。ちょうど平城京に興福寺と春日大社があるように、平安京には延暦寺と日吉大社(当時は日吉社:ひえしゃ)ということです。
ですから比叡山に登るには、まず日吉大社の鳥居をくぐってその神域に足を踏み入れてからスタートするのが正しい登り方です。(あくまで個人的な自論です)
紫色のマークが今回歩いた場所です。
日吉大社と坂本の街
この参道は表参道であり、本坂とも呼ばれているので、延暦寺に参るにも比叡山に登るにも表口ということになります。
なお駅からここまで歩いてきた車もはしる道は県道316号線ですが、左へ大きく曲がって県道47号線にかわります。すなわちこの参道が県道316号線のつづきということになります。
たしかに県道316号比叡山線と表示があり、山上の延暦寺までずっとつづいています。
本坂をのぼる
最初の石階段を登り切ると、ほとんど車の走っていない車道にでます。
その道を5分ほど歩くとこの階段が待ち受けています。よいしょと掛け声かけて気合を入れれば一息に登り切れます。
そして登り切ったところで振り返ると、早くもこんなに上がってきたことがわかります。
琵琶湖の絶景も見えるプレゼント付きです。
比叡山にはこのテの道がよくあります。
山に岩が少ないことと同時に、山の斜面が急なため雨水や雪解け水が奔流となっていっきに流れ落ち、長い年月のうちに地を削ってこのような窪みをつくったのではないかと思います。
冒頭で書きました京都側からの登山道のひとつ、雲母坂はまさにこんな谷底道がつづきます。
早くも延暦寺が近くなってきたようです。
比叡山の最高峰・大比叡は標高848mですが、延暦寺の伽藍は500~700mの標高地に点在しています。しかも坂本のちょうど登山口あたりが標高150mぐらいなので、ここまでならせいぜい400メートルほど登っただけということになります。
延暦寺・東塔、西塔
このページでは比叡山を登って歩くことを主眼としているため、延暦寺についてはごく簡単にまとめます。延暦寺についてご覧になりたい方は、以下アドレスへ。https://yamasan-aruku.com/aruku-99/
延暦寺は比叡山にある100以上の伽藍の総称で、延暦寺という名のひとつの寺があるのではありません。
そして延暦寺は東の東塔(とうどう)、西の西塔(さいとう)、北の横川(よかわ)の三つにわかれています。
横川へ向かう
横川
フツーの人が歩いた場合ざっとですが、東塔の大講堂から西塔の阿弥陀堂まで40分、阿弥陀堂から横川の横川中堂まで1時間30分程度です。
危険なところはありません。
西塔を出たのが13時前でした。
フツーの人より少し早く歩くとして横川着が14時。1時間見物して15時から下山の予定だったのですが、横川まで足を延ばしたのが久しぶりだったので見学に思わぬ時間をかけ、しかも途中で吹雪くほどに天気が荒れて堂内に避難していたこともあって、下山開始が16時前になりました。
山道を歩いていたのでは暗くなる前に坂本に着けないかもしれないので、いざとなったら「走れる」道を下ることにします。
横川地域内にある「龍ヶ池」の前で道がふたつに分岐しています。片方は横川駐車場へ、もう一方の下ってゆく道を選び、ひたすら道なりに歩きつづけると1時間ほどで坂本に着きます。
【アクセス】JR比叡山坂本駅~日吉大社前~(本坂)~花摘堂~東塔~西塔~(峯道)~横川~(大宮谷道)~日吉大社前~JR比叡山坂本駅
【料金】延暦寺は拝観料要
【満足度】★★★☆☆(評価には延暦寺の拝観を含まず)