伏見稲荷大社から泉涌寺へと見て歩く
【京都市・伏見区~東山区 2023.3.14】
京都伏見区にある伏見稲荷大社は、外国人による訪れたい日本の観光スポットでここ数年ずっと1位の座を保っています。
なんといっても朱色の千本鳥居が写真映えするため、SNSで紹介されまくっているのだと思いますが、千本鳥居だけでなく、あまり観光客が立ち寄らないところにも、それはそれは素晴らしいスポットがあります。
伏見稲荷大社はスサノオノミコトの子である宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)を主祭神としています。
宇迦とは食べ物のことで、おもに稲(米)をさします。その稲の御魂ということですから元は農耕の神だったと考えられます。時代とともに神様のパワーはアップするだけでなく、マルチになってゆくもので五穀豊穣、商売繁盛、さらに安産、万病平癒、学業成就など幅広く受け入れてくれます。
そのマルチゆえなのか、稲荷神社は全国8万1千余あるといわれる神社の中でもダントツ1位の3万社を有し、その3万のなかの総本社が伏見稲荷大社です。
楼門、拝殿、本殿
稲荷神社といえばキツネですが、キツネはあくまで神の使いであって神様ではありません。
ではなぜキツネが神使になったかというと、日本の神道には「山の神、田の神」という考えがありました。すなわち山の神が春になると田の神となって山里へ下りてき、冬になると山の神にもどって山へ帰ってゆく、これとキツネの生態が似ていること、また稲穂の色とキツネの毛の色が似ていることなどから。
理由はこんなところではないかと思います。
千本鳥居
四つ辻から、三ノ峰、二ノ峰、一ノ峰
途中に四つ辻になった広場があり、ベンチもあってここでの飲食は許可されています。
またここからは稲荷山(奥宮)を右回りでも、左回りでも上って行けます。
(すなわちどちらを進んでも一周してここに戻ってくることなります)
なぜか圧倒的に左回りの人が多いのですが、強いて言えば右回りの方が正当な回り方です。
今日は右回りで上がってみます。
稲荷山自体に神が宿ると考えられているため、その稲荷山の石を自然のまま祀っているのだと思います。
ところで、四つ辻までで満足してしまうのか、そこから先へと上がってくる人の数は激減してしまいます。
実は四つ辻から先こそ真髄ともいえる場所で、いかにもパワースポット然としているし、見て楽しく、しかも人が少ないぶん写真も撮りやすいでしょう。
御劔社、御膳谷
なぜ朱色の鳥居がこれだけ立っているかというと、朱(あるいは赤)は魔よけの色であり活力がわく色、そして「願いが通るよう祈願して」あるいは「願いが通ったので御礼に」参拝者が初穂料(代金)をおさめて奉納(設置申請)し、その鳥居をみずから通るということです。
ちなみにその初穂料ですが、柱の太さにより違い、5号(直径15cm)のものなら21万円、10号(30cm)のもので160万円~だそうです。
とても手がでない金額ではないのでしょうが、それだけに4~5年待ちの状況だとか。
鳥居の奉納申込について
http://inari.jp/gotinza1300/
泉涌寺
伏見稲荷大社の四つ辻から15分ほど北へあるくと、泉涌寺(せんにゅうじ)に着きます。
泉涌寺は冠に「御寺」とあるように、天皇家の菩提所にあたります。
それゆえ北朝時代から江戸時代の末、天皇の御所が東京に移るまでは、この地に歴代皇族の墓が集中しています。
泉涌寺は広大な敷地を有しており、いわゆる境内には玉砂利が敷きつめられ、そこに伽藍がしずかに立ち並ぶばかりですが、境内の外には多数の塔頭寺院や陵墓が点在しています。
なお不定期に中止する日もありますが、毎日2回午前と午後に僧侶の案内で、霊名殿も見学できる特別拝観のプランがあるようです(要予約)
https://mitera.org/guide/premium-visit
【アクセス】京阪伏見稲荷駅~伏見稲荷大社~泉涌寺~京阪東福寺駅
【料金】泉涌寺参拝料:500円、伏見稲荷大社は不要
【満足度】★★★★★