飯道山は古社に修験場、宮跡も見れて楽しみがいっぱい

【滋賀県・甲賀市 2024.9.23】
今日は滋賀県の甲賀にある飯道山に登ります。
飯道山は山として登ることそのものには飛びぬけて魅力があるわけでもないのですが、山頂付近はかつて修験者のための修験場であり、かつ甲賀忍者の修練の場でもあったところで、いまは飯道神社として古色蒼然とした社殿が残っています。
また今回は水口側(貴生川駅)からアプローチしますが、下山した信楽側には紫香楽宮跡がのこり歴史を堪能できます。紫香楽宮(しがらきのみや)は聖武天皇が造営した離宮で、発掘調査の結果いまは寺院らしきものの痕跡が広範囲にわたって見られます。

水口町を歩いて三大寺登山口へ

杣川越しに飯道山(左奥)をのぞむ

ところではじめに言っておきますと、飯道山登山は山登り重視で考えるなら水口から信楽へ歩くのがお薦めですが、歴史見分を主とするのであれば逆ルートの方がフィットすると思います。

飯道山へ

登山口からしばらく整備された道を歩く
この先あたりからやっと山道らしくなる
山道はずっと歩きやすい
左羅坂も注意して歩けば問題なし
杖の権現茶屋休憩所 / 茶屋はありません
背後のこの斜面を登りきると山頂です

山頂

山頂近く、東方向を見わたす
山頂より、西方向を見わたす
ササに埋もれた急坂をくだる
一見城跡かと思わせる石塁がのこる

飯道神社

飯道神社は奈良時代の創建ですが、平安時代になると神仏習合の時代背景のもと隣接されて飯道寺が建立されます。室町時代には最盛期をむかえ50をこえる堂宇がたちならぶ修験場となりますが、明治時代になって神仏分離令が施行されると廃寺となってしまいます。
さきほど見てきた石塁は飯道寺のものと思われますが、調べてみるとこの地にはたしかに城もあったようで、どこまでが寺跡でどこからが城跡なのか詳細はわかりません。

まもなく鳥居が見えてくる
左の階段をのぼると本殿へ、右は行者堂
拝殿から本殿をみる
本殿の背後にそびえる巨岩群
行者巡りは巨岩の間をぬって歩く
背後から見ると、地面をくり抜いて建立したことがわかる
巨岩に上がって遠望
弁天堂横を通って下山する

紫香楽宮跡

紫香楽宮については聖武天皇により造営された離宮とされていますが、平城京からここへ遷都するつもりだったものの山火事などの不幸がつづき(しかもその山火事も作為的な放火ではないかとも考えられている)完成を見ずに放棄されたとも言われています。
ともかく謎の多い歴史遺産で、どこからどこまでが紫香楽宮の遺構なのかも近年まではっきりしていませんでした。
今回はかつて寺院があったとされる遺構を見てまわります。

中門跡
金堂から中門跡をみる
金堂跡
金堂から講堂跡をみる
僧房跡

【アクセス】貴生川駅~三大寺登山口~飯道山山頂~飯道神社~宮町登山口~紫香楽宮跡~宮跡駅 20,000歩、4時間20分
【満足度】★★★★☆