琵琶湖疏水に沿って大津から蹴上へと歩いてみた
【滋賀県大津市~京都市 2026.1.2】
新年があけて早々に出かけるとなると一般には初詣か初売りになるのでしょうか。
しかし年じゅう社寺を歩き回っている私にとっては初詣は蛇足のようなもの、また物欲が枯れてきている身では初売りなんぞまったく興味がない。さらに両者ともに混雑は目に見えており、人混みの苦手な私にとっては苦役にすら思える始末。
ということで本来なら人のすくない山へ登山にゆくのですが、今年は2週間後に心臓のCT検査を控えている身ゆえ無理をするわけにもいかない。
ではどうしようかと考えて、昨秋探索した琵琶湖の水運から思案がすすみ琵琶湖疏水を散策しようと決まりました。

大津・第一疏水

琵琶湖の水を疏水にひきこむ取水口
ここが琵琶湖疏水の起点になります

運河の先が琵琶湖に通じている
琵琶湖から疏水への入口は「美保ヶ崎」との地名

琵琶湖の水位が疏水の水位より高いため
普段は門を閉ざしており、必要に応じて開閉する

ここでいったん疏水から離れます
琵琶湖疏水は第一疏水が1890年(明治23年)、それだけでは賄いきれなくなり第二疏水が1912年(明治45年)にそれぞれ完成しています。
琵琶湖から京都への上水道の供給だけでなく、近隣の田畑への灌漑、さらに工業用水として使う目的もありました。また京都の蹴上に水力発電所がつくられ、ここでつくられた電力によって京都市内を日本初の路面電車が走ることになります。
そして水運。自動車も機関車もほとんど普及していない当時としては、京都・大阪間は船で荷を運べたものの滋賀・京都間は人馬に頼るしかない。そこに疏水がつくられ水運が主力になったということです。
第一トンネル~第一竪坑

今年最初に訪ねた社寺ゆえ、ここが2026初詣

右の山の中を疏水は通じている



これより先には近づけません

ここまで第一トンネルに沿っての古関越えは、途中で雪が舞うハプニングがあったものの静かな散策を楽しめました。そもそも峠越えとはいっても心臓の調子のよくない私ですら(ゆっくり歩けば)息切れもないような楽チン坂道です。
第一トンネル~諸羽トンネル


このあたりでは山科疏水と呼ばれています。

疏水は右の諸羽山の山中をぬける

余談ですが、
この疏水沿いもそうですが、河川の土手沿いにはよく桜並木がつくられています。以前なぜなのかその理由を調べたことがあります。
河川の土手はとくに梅雨の増水時に水流で崩されないよう堅く固めねばなりません。むかしはすべて人の手でおこなっていたため棒で突いたり踏みかためたりと、とにかく膨大な労力が必要でした。
そこで土手沿いにまず桜を植えます。桜は特性として根を広範囲に張りめぐらします。そこに花見の季節ともなると近在から多くの人々がおとずれ、花見を楽しみながら土手を歩くので必然的に踏みかためられ梅雨の時期にそなえるという寸法だそうです。
なんとも悠長な、しかしうらやましいほどに風流な発想ではあります。
天智天皇山科御陵


ここまで大津から8km、2時間半ほど歩いています。

片道15分ほどの天智天皇山科御陵に寄ってみます

天智天皇は皇子時代の名が中大兄皇子、中臣鎌足(のちの藤原鎌足、藤原家の祖)とともにクーデターを起こして蘇我親子を殺害し、大化の改新を実行した「行動派天皇」の代表みたいな人です。
朝鮮の百済支援にかかわり白村江の戦いで敗れてからは、唐の進攻にそなえて大宰府防備のため水城、大野城、基肄城をつくらせ、さらに対馬~北九州~瀬戸内海に数々の古代山城を築かせて防御をかためます。
さらに晩年には唐軍が日本本土へ上陸しても容易に侵攻されないよう近江大津宮に遷都し、その地で崩御。その関係からここに御陵がつくられたのでしょう。
第二トンネル~第三トンネル

この丘陵周りは歩けないので一旦は左の住宅地へ



蹴上インクライン




散策コースとしては南禅寺船溜が終点ということになりますが、画像の左にのびる運河は動物園~平安神宮~冷泉通のかたわらを西へとながれ鴨川に合流します。
琵琶湖疏水についていえば一番見所が多いのはやはり蹴上でしょう。
インクラインを歩くころにまた雪が舞いはじめ寒くてかなわないので今回は省きましたが、蹴上インクラインからすこし西へはずれたところには浄水場や発電所が残っています。(遺産として残っているだけでなく現在も使われています)
琵琶湖疏水に関しては、静かな散策を楽しめました。
もっとも蹴上から鴨川沿いの京阪電車の駅へとむかう道は初詣と初売り目的の日本人、さらにインバウンド客が加わってとんでもない人出。
窮しました。
【アクセス】京阪びわこ浜大津駅~琵琶湖第一疏水~第一トンネル~長等神社~小関越~第一竪坑~諸羽トンネル~天智天皇山科御陵~第二トンネル~第三トンネル~蹴上インクライン~南禅寺船溜~京阪三条駅 / 21000歩
【満足度】★★★★☆






