新緑の下、春日山をあるき若草山にのぼる
【奈良市内 2022.4.30】
春日大社を見物した後は、その背後にある春日山をあるき、さらに若草山山頂へ向かいます。
春日山周遊道
春日大社を南に抜け、一般道をすこし東にあるくと、春日山周遊道入口に達します。
春日山周遊道
https://narashikanko.or.jp/wp-content/themes/nara-portal/pdf/pamphlet_pdf/kasuga_yagyu.pdf
春日山は春日大社の神々がやどる神域ですから、決められた道以外は立ち入り禁止です。
同時に神域であったがため千数百年のあいだこの山には人間の手が加えられていないので、「原始林」という形で、むかしからの自然が残されています。
むかしはこの山にこもって修行をつんでいたのでしょう。これらの石窟仏はそのときに彫られたものです。
鶯の滝
高さ10mほどの小さな滝ですが、原始林の奥深くにあり、たどり着くまでの道のりが貴重な体験になります。
興福寺別院鶯滝歓喜天
鶯の滝への分岐道の反対側に、「興福寺別院鶯滝歓喜天」なる石碑が立っていました。
雰囲気からして、ぜひ行ってみるべきと判断しました。
御堂は災害(たぶん台風)でこわれて撤去したと貼紙がありました。
誰もいません。そして空気まで緑色に染まり、時間が止まったかのようです。
これは、すばらしい場所をみつけました。
春日山の神域に特別登拝した記録(2015年の記事です)
https://www.sankei.com/article/20150711-PD7JXUO33VPJ7KTQQVUT67JM4Y/
若草山
若草山の山頂部分は、鶯塚とよばれる前方後円墳になっています。そのため真の山頂には観光客は登ることができません。
お墓には仁徳皇后が埋葬されたのではないかと考えられているものの、確実なことはわからないようです。
若草山を緑でおおっているのはノシバという自生の芝です。
このノシバについて興味深いはなしを読んだことがあります。
ここ若草山では、たくさんの鹿がこのノシバを食べながら生きているのですが、なぜかノシバが食べつくされたことが今も過去にもないそうです。
自生するノシバの発芽率は本来10%以下であり、鹿に毎日たべられていてはとても追いつかないはずです。そこでDNA鑑定をしてみたところ、このあたり一帯のノシバは発芽率50%前後の固有のものにかわっていることが分かったそうです。なぜそうなったのか。鹿のフンに注目してわかったことは、かたい外皮におおわれているノシバの種子は鹿にたべられても未消化のままフンに混じって出てくる反面、鹿の唾液や胃酸で外皮がやわらかくなっており、発芽しやすくなっていたということです。
また鹿がたべては移動し、移動したところでフンをするため、種子があちこちにばらまかれる結果になり、これもノシバがひろく生育する要因となっているそうです。
帰りがけに、春日大社の大鳥居(一之鳥居)のまえを通って、近鉄奈良駅へむかいます。
【アクセス】JR奈良駅から春日大社へ、そのあと春日山、若草山をあるき近鉄奈良駅へ 計30,000歩
【料金】若草山入山料 200円、春日山は不要
【満足度】★★★★★ (新緑の美しさもふくめて)