苛酷な歴史の舞台となった摂津の地を歩く。
【兵庫県・伊丹市、大阪府・池田市 2022.6.12】
今日は黒田官兵衛と荒木村重ふたりのゆかりの地を訪ねたいと思います。
黒田官兵衛といえば、言わずと知れた秀吉の軍師(知恵袋ともいわれます)ですが、荒木村重が信長に背いた際には思いとどまるようその居城・有岡城へ説得にゆきます。ところが説得に失敗しただけでなく、官兵衛をこころよく思わない者からの讒言により有岡城の地下牢に幽閉され、一年におよぶ牢獄生活で官兵衛は頭髪が抜け落ち、体中に瘡(かさ)ができ、さらにひざの関節が曲がらなくなる障害をかかえることになります。
その官兵衛にとっては地獄の思いをした有岡城が本日最初の訪問地です。
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JR伊丹駅まえに有岡城址公園があります。
この石垣が当時のままのものなのか分かりかねますが、ちょっと整いすぎているように思えます。
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石垣を上ってみると、上にあるのはこれだけでした。
あとからアレコレ造るよりは、これだけしかありませんという方が潔いのかもしれませんが、しかし物足りません。
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ところで荒木村重は信長に背いたことにより、ここ有岡城に籠城します。
村重の背信に激怒した信長は、有岡城を厳重に包囲させ、そして村重が城外へ脱出したにもかかわらず、城に残っていた家臣や女子供にいたるまでを、報復と見せしめのために殺しつくします。
信長の残虐性をつたえる、敵方に対する殲滅戦や虐殺は数々ありますが、この有岡城での虐殺はその最たるものではないでしょうか。信長ファンであったもここでの惨劇を天下布武の過程で必要だったとはとうてい認められません。
荒木村重の謀反と有岡城の戦い、そして荒木一族の処刑
https://senjp.com/arioka-2/
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伊丹は伝統のある酒造りのまちで、ふるい酒蔵も残されています。
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江戸時代に酒造家によってたてられた商屋。
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極めつけはこれです。
伊丹ミュージアム正面入り口のちかくにあります。
一点物のマンホールです。
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かつての有岡城は、総構えといって城下の町ごと濠や石垣でぐるりと囲んで防御機能をたかめていたのですが、その総構えの北端にあったのがこの猪名野神社です。
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拝殿奥の本殿は修繕中で、全体的には少々さびれた感じでした。
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猪名川をわたって池田市へ向かいます。
大阪空港(国内線が中心)から5分に1便ぐらいの頻度で飛行機が飛び立ってきます。
ところで大阪空港は伊丹空港ともよばれるのですが、伊丹市(兵庫県)、池田市(大阪府)、豊中市(大阪府)の3市の市境にあり、この3市にまたがるのですが、さらに飛び地があって地理的にはたいへん複雑です。
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ヒメジョオンが咲く猪名川河岸から池田市街を遠望します。
ところでヒメジョオンは小さな花ですが、これだけ咲いていると壮観です。
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池田市街につきました。
ぜひ立ち寄ってみたかった、JR池田駅からほどちかくにある呉服神社(くれはじんじゃ)をのぞいてみます。
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応神天皇(仁徳天皇の父)の時代に、機織りと裁縫の技術をとりいれるため、呉の国より呉服媛(くれはとりのひめ)と綾羽媛(あやはとりのひめ)姉妹を招きます。姉妹はそれこそ夜も徹して織物、染色、縫製にはげみその技術を日本につたえ残してくれます。
その功績に感謝し、呉服媛を呉服大明神として祀ったのがこの神社のはじまりです。
なおいま日本につたわる呉服(ごふく)という言葉は、この呉服(くれは)からきています。
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つぎには、これもほど近くにある池田城址にむかいます。
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池田城公園内にたつ天守閣のごとき建物は、説明板によると、公園のシンボルとしてそれらしく造ったもので、史実にもとづいて正確に再現したものではないそうです。
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時間もあるので、入場料無料の池田市立動物園へ寄ってみます。
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なんだかチャチい入口ですが、まあそこは入場料無料ということで- – -。
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こんなところです。
入場料無料の意味は、子供を連れて気軽にあそびに来れるということで、たしかに家族連れががたくさんいました。
収益を上げる目的ではなく、公園を憩いの場として考えるならば、これは正しいあり方だと思います。
もっとも自分自身は時間を持て余したので、動物園のそとの木陰で1時間ばかり読書をして帰りました。
五月山動物園には、ギネス認定の百歳超えのウォンバットがいる
https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/omoshiro/202202/0015054723.shtml
【アクセス】阪急伊丹駅から 阪急池田駅まで歩く 21,000歩
【満足度】★★☆☆☆