箕面大滝から最勝ヶ峰へ登ってみる

【大阪府・箕面市 2023.3.19】
最勝ヶ峰(さいしょうがみね)は大阪府最北部の、京都との府境近くにあります。
桓武天皇の兄(異母兄?)開成皇子が建立した彌勒寺を基とする勝尾寺(かつおじ)が山麓にあり、その皇子の墓が山頂にあるので、本来は勝尾寺をたずねてそこから開成御墓をめざして登山をはじめるのが一般的です。

先日、名物の猿を最近はすっかり見なくなったという話を箕面に住む人から聞き、あんなにわんさかいた猿がいなくなるものなのかと半信半疑だったのですが、ここはひとつ猿の確認もかねて久しぶりに箕面の滝を見にゆこうと決めました。
そこで(猿がいないのであれば)見学は滝のみということになり、あまりに物足りないので箕面大滝の側から最勝ヶ峰にのぼり、勝尾寺へくだるコースを企画しました。

箕面滝道

阪急箕面駅から箕面大滝までは2.8km
渓流沿いのおだやかな登り道、箕面滝道を歩きます
箕面山を仰ぎ見て
渓谷を見下ろして

箕面大滝

滝が見えてきました
年間訪問者200万人の人気スポット

箕面滝は、その姿が身につける蓑(みの)に似ていることからその名がつき、さらに滝の名から地名にもなったと言われていますが、真偽のほどはわかりません。蓑というならもうすこし滝そのものの幅が欲しいし、逆にこれで蓑というなら日本中すべての滝が蓑滝になってしまうし。
岩肌の様子から推測すると、大雨のあとなど水量がぐっと増えたときには水流の幅がひろがるのでしょうか。

ところで肝心の猿ですが、たしかに影も形もありません。かつてはここに到るまでの滝道にもしゃがみ込んで、観光客の荷物(おもに食べ歩く飲食物)にちょっかいを出し、それがもとで怪我をするなどの被害が多い時には届けがでるだけでも年間100件、200件とあったそうですが。

政の茶屋園地へ

滝を横に見ながら坂道をのぼると車道に出てきます。この先に駐車場があって、そこに車を止めて坂を下れば楽に滝までいけます。
以前はこの辺りは歩道にも車道にも猿がゴロゴロいたのですが、まったくいません。
実は、保護するはずの猿による被害が深刻なため、餌場を山中に移して猿の大移動を行ったようです。

箕面山の猿について
https://www.city.minoh.lg.jp/bunkazai/nihonzaru.html

駐車場をすぎると、ぐっと山深くなります
政の茶屋園地は、東海自然歩道の西の起点です

東海自然歩道

岩場の急坂もあれば
丸太階段もあります
椿咲く春なのに♪と鼻歌まじりに歩けるかと思うと
岩ゴロゴロで、鼻息が荒くなるところもあります

最勝ヶ峰・開成皇子の墓

開成皇子の墓

最勝ヶ峰のピークは木立の中に方位盤が設置されているだけで、眺望もありません。
そこから回りこむと、開成皇子の墓の正面に出てきます。

勝尾寺

道を一気に下って行くと、勝尾寺の伽藍が
本堂
多宝塔をのぞむ

勝尾寺をご存じない方には、赤い小さなものが何なのか見当つかないかもしれません。
勝尾寺は「勝王寺」であったとも言われており、勝運の寺として信仰されてきました。

近年(というよりも最近)になって、よりひろく受け入れられるようにとの意図もあったのでしょうか、「勝尾寺のいうところの勝つとは、他者を負かすことではなく転んでも起き上がり己に勝つことである」と、方向転換(?)したようで、今では「勝ちダルマの寺」といわれるようになっています。

それゆえ御神木もダルマが囲み
土塀にもダルマ
厄払い三法荒神社にもダルマ
鎮守堂に至っては全面がダルマ
前庭には梅の花が残っていました

今回、勝尾寺ではたいへん申し訳ないことをしてしまいました。
というのは勝尾寺を参詣して最勝ヶ峰に登るのであれば、まず勝尾寺受付で拝観料(入山料)500円を払うのですが、最勝ヶ峰から下りてきて勝尾寺へは裏から入ったため拝観料を払わずに見学してまわり、そのまま帰途についてしまいました。
このブログを書いていて、拝観料のことに思い至った次第です。

もともと己に甘い人間なので、己に克つ勝ちダルマの御利益はなくても構いませんが、けっして意図して踏み倒したのではありませんので、なにとぞご容赦ください。

【アクセス】阪急箕面駅~箕面滝道~箕面滝~政の茶屋園地~最勝ヶ峰~勝尾寺~阪急千里中央駅 29,000歩
【料金】勝尾寺:拝観料(入山料)500円
【満足度】★★★☆☆