桜満開の嵐山は、人も満杯だった
【京都市・右京区 2023.3.28】
桜の見頃にかんして、関西では京都市内がもっとも早く満開情報が伝えられます。桜の品種が違うのかどうか、ともかく満開が早いということは散り始めるのも早いということで、先週半ばに満開が伝えられた嵐山はそろそろ散り始めたとのこと。
桜大好きで毎年あちこち桜の名所を訪ねているにもかかわらず、関西屈指の観桜スポットである嵐山は人出が多いのを敬遠して、この時期に訪れたことがありません。
今年はひとつ意を決して、人で満杯の嵐山ではなく桜が満開の嵐山をめざして、いざ出発。
渡月橋
この日の午前(この写真撮影をした1時間ほど前)に、すこし上流で保津川峡下りの舟が転覆事故にあったようで、これから昼過ぎにかけて嵐山からも救急車が続々と現場にむかう事態になりました。
天龍寺
寺において庫裏(庫裡:こり)は台所のことですが、いまふうに言えばダイニングキッチン、方丈(ほうじょう)は居間兼応接間くらいに考えればよいのではないでしょうか。
そもそも方丈の「丈」は長さの単位で約3メートル、「方」は方形の意味で四角のこと。もとは1丈四方の草庵で禅をくみ、生活の大半を送っていたことから「方丈」が建物そのものを指すようになったようです。
ところで天龍寺は禅宗のひとつ臨済宗の寺ですが、後醍醐天皇に重んじられた夢窓疎石(むそうそせき)という僧によって開山されています。
後醍醐天皇といえば、新政を布いたものの足利尊氏と対立し、ついには南北朝にわかれるもとをつくる人ですが、その後醍醐天皇の崩御後に夢窓疎石は足利尊氏に対して、後世に悪評を残さないよう気遣ったのか、対立したとはいえ後醍醐天皇の菩提を弔うため寺を建立するよう勧めます。そうして開創されたのが天龍寺です。
夢想疎石は作庭にも才があり、天龍寺につくった庭はその後の日本の庭づくりに大きな影響をあたえています。
天龍寺の庭 / 方丈・書院から観賞する
天龍寺の庭 / 庭を歩いて鑑賞する
いままでに見てまわった桜の名所について順位をつけるつもりはありませんが、ここ天龍寺の桜は間違いなく最上位レベルです。
しかし人の多さでも最多レベルです。
来るときの満員の電車、そして渡月橋からずっと人混みで疲れてきました。
竹林の径
今日は家内と一緒なので、天龍寺を出たところで茶店によって一息入れました。
一息入れるといっても、自分の場合は身体を休めるのではなく、人混みに長時間身をおくのが苦痛なので、しばらく人混みから逃避した次第です。
ところがこの竹林の道だか径だか知りませんが、なんという混みぐあい。
つぎに行く常寂光寺も混んでいたら中止しようと思いながら行ってみると – – –
常寂光寺
常寂光寺はそもそも桜は数も少ない上に、すでに大方散っていましたが、全体に苔むした「常寂光」の空気につつまれた御寺でした。
しかも嵐山の喧騒からはなれ訪れる人も少なく、大変しずかに鑑賞できました。
【アクセス】阪急嵐山駅 ➡ 渡月橋~天龍寺~竹林の径~常寂光寺 ➡ 阪急嵐山駅
【料金】天龍寺:拝観料500円(庭のみ)、800円(方丈と庭)、常寂光寺:拝観料500円
【満足度】★★★★☆ 風景を楽しむだけなら★5つですが、あまりに人が多いため減点しました。