新緑の映える和泉葛城山にのぼる

【大阪府・岸和田市~泉佐野市 2023.5.3】
大阪府と和歌山県との境をなすように東西につらなるのが和泉山脈。その中心的な存在として知られているのが和泉葛城山です。
かつては宝仙山とよばれ修験の山として知られており、いまも山頂には葛城神社と龍王神社がのこっています。同時に山頂付近には天然記念物に指定されているブナ林が残るなど、山全体として落葉樹がおおく、それだけに春には新緑にすっぽり浸りながら山歩きを楽しめます。
今回は、見事な紅葉で有名な(すなわち春には青モミジが美しい)牛滝山から入り、おなじく紅葉すなわち青モミジが魅力の犬鳴山へ抜けてみようと思います。

牛滝山・大威徳寺

山門 / 大威徳寺は天台宗の寺ですが、
かつては真言宗と天台宗の兼学寺院で、
空海上人もこの地で修業をしたそうです
多宝塔 / 空海上人により建立され、室町時代に再建

渓流をあるく

大威徳寺から奥へ進むと、
かつて行者達が水に打たれて修行した滝がある

若いころは紅葉が好きでしたが、いまは新緑に惹かれます。新緑の中に身をつつまれていると、気持ちが若返るような、もっと単純にいうとワクワクしてきます。
異性にたとえるなら紅葉は妖艶な熟女とでも言えばよいでしょうか。もちろん妖艶な熟女さんは、それはそれで魅力いっぱいなのですが、やはり乙女の瑞々しさには及びません。

渓流をさかのぼり、
さらに山深く入ってゆきます

地蔵道から林道へ

大阪南部の山々は階段道が多い
その長い階段道をひたすら上ります
道脇には道案内のように地蔵が佇んでいます
林道に出てきました
山頂近くのブナ林は養生のためか立入禁止

今日はGWということもあり、昨年末に大和葛城山に一緒にのぼっていらい、久しぶりに Hさんと連れもってきたのですが、今回も自分が新緑を眺めたり写真を撮ったりしている間にはぐれてしまいました。
その Hさんが途方に暮れたように佇んでいる姿をみつけて急ぎ近づいてみると、なんと楽しみにしていたブナ林内の散策は、入口にロープが張られて不可となっていました。
理由ははっきり書いていないのですが、きっと人の立ち入りで荒れてきたのではないでしょうか。

龍王神社と葛城神社

龍王神社のものと思われる鳥居
龍王神社 / 奥に背中向きで葛城神社がみえる
関空が見えるはずですが、霞んでいて視界不良

龍王神社(八大龍王社)は龍の神様を祀る雨乞い信仰の神社です。なぜか参道には「○○若頭会」からの奉納をしるす柱が堂々と立っていました。
葛城神社(高おかみ神社)は修験道場として信仰されてきた地だそうで、立ち入れなかったブナ林側から石段があり上がってくるようになっているみたいです。
この両神社があるところが和泉葛城山の山頂部、すこし外れたところに展望所があります。

スカイラインを歩いて

紀原高原スカイラインという名の、
ほぼ車の走っていない舗装路を歩きます
五本松の展望台

展望台を各所に造ってくれてはいるのですが、とにかく今日は霞んでいて眺望がよくありません。
この五本松にある展望台は、100円とはいえ入場料がいるので上がること自体やめました。

ふたたび山道に入る

ふたたび新緑に包まれて歩く
瑞々しい新緑に思わず足を止めました
落書きだらけのトンネル

途中、トンネルを通過する場所があります。
こういう人気のないトンネルには怪談話がつきもので、じつはココにもあります。
トンネル内を歩いていると、向こう側からバイクが走ってきます。ふと視線をあげ、よく見ると、その運転者の首から上がない! キャー!
本来なら恐る恐るトンネルに足を踏み入れるのでしょうが、とにかくこのトンネルは落書きだらけで、これだけ汚されていると良かれ悪しかれ気分がでません。
もちろん何事もなく通過しました。

犬鳴山七宝瀧寺

やがて七宝瀧寺につきます
奥に修験に使われる行者滝がみえる

七宝瀧寺(しっぽうりゅうじ)も真言宗の寺で、そのため修験道の行場となっています。
もとはこの和泉山系一帯を葛城といい、全部で二十八の行場があってこれを葛城修験二十八宿とよびます。今日最初に寄った大威徳寺、和泉葛城山頂の高おかみ神社、そしてここ七宝瀧寺、すべてその中に含まれます。

いくつもの社の前を通り、
瑞龍門を抜けて、
参道入口から退出しました

犬鳴山温泉には4つ5つ予約なしで使える温泉があるので、そのうちのひとつでひと風呂浴びたのですが、あまり流行っていないからか湯は朝から入れたままのようで清潔とは言い難いし、湯温度はぬるいし、あまり良いものではありませんでした。
他の宿の湯がどうなのかは知りませんので、一概に批判するものではありませんが、お薦めもしません。

【アクセス】南海岸和田駅 ➡ 牛滝山バス停~大威徳寺~牛滝山~和泉葛城山(龍王神社、葛城神社)~五本松~七宝瀧寺~犬鳴山温泉バス停 ➡ 南海泉佐野駅
【満足度】★★★★☆