全国37店舗の越前大野屋が藩の財政を立て直す
【福井県・大野市 2023.10.18】
福井駅から各停の電車で西へ1時間、山間の盆地に大野市、かつての大野藩がありました。初代藩主は、一揆勢を鎮圧した功により織田信長からこの地を拝領した金森長近。長近が4年の歳月をかけて小規模ながらも見た目も美しい越前大野城を築きました。
とは言っても、この大野藩では明治維新の廃藩置県により藩自体が消滅するまでに、実に19人もの藩主がコロコロ入れ替わっています。それゆえ金森長近についてここで詳しく記すのは的を得ていません。
幕末に土井利忠が大野藩の藩主となったときには、藩財政は莫大な借金によりほぼ壊滅状態でした。
利忠はなによりも人材を育てなければならないと考え、藩校明倫館をひらき学問の普及につとめますが、それにしても手持ちの金がありません。そのとき家老の内山良休が地元の特産品を地元ではなく他藩で売ることを提案し、まず手始めに大坂(いまの大阪市久太郎町)に大野屋1号店を出店、地元のたばこ、生糸の販売を始めます。
この1号店が軌道に乗ると、2号店は大坂の特産品を買い付け別の他藩で売るというように、つぎつぎに店舗数をふやし、ついには37店舗まで拡大したと言います。もちろん財政の立て直しに多大に寄与したことは言うまでもありません。
城下町をあるく
越前大野駅からスタートし、城とをむすぶ直線よりも左側(南)一帯をまわり、それから城に上がり、城から下りてからは地図の右側(北)一帯をまわって北大野駅に戻る予定とします。
七間通り
越前大野城
城下町をあるく
越前大野の城下町は、自称「小京都」と宣伝していました。
「小京都」という呼称はよく耳にしますが、それほど京都にすがることもないのでは。
京都には京都のあふれんばかりの魅力もありますが、残念ながら好きになれない面もあります。
越前大野は、もし京都と比較するのであれば「京都のあふれんばかりの魅力」を小にしたほどの魅力、といってもおこがましいでしょう。
しかし京都にはない、越前大野らしい魅力なら京都の小どころか、十分に超越する魅力があります。
光明寺
【アクセス】JR越前大野駅~イトヨの里~朝倉義景の墓~七間通り~大野城~武家屋敷~石灯籠通り~光明寺 15000歩、所要:3時間半
【料金】天守入場料:300円
【満足度】★★★★☆