大阪七低山をあるく
【大阪市 2023.10.22】
大阪七低山ですが、大阪府内の低い山7つではなく、大阪市内の七低山です。
大阪市内に山なんぞあるんかいと、大阪に住んでいる人ですら疑うかもしれませんが、それがあるんです。
国土地理院による山の定義では、「周囲よりも盛り上がった地形や場所のことを言い、平地とくらべ、傾斜した地形で形成される」となっています。
これが地形学的には、起伏量(標高)が数百メートル以上で、その構造が複雑なものとなるのですが、地形学のために山登りをしているのではない人たちにとっては、国土地理院の定義にしたがえば良いでしょう。ですから大阪市内にもたくさん山はあります。
そのなかから、昨秋どこぞのトラックが不法投棄で土砂を盛り上げたまま放置している、といった類いは除外します。ある程度歴史のあるもので、国土地理院によっても山と認定されているものに限定し、そこから、おそらく知名度のあるもの7つを選び出した、それが大阪七低山です。
1.真田山(標高10m)
大阪7低山の1つを真田山ではなく、さきにたずねた三光神社が鎮座する宰相山(さいしょうやま)とする説もあります。どちらにしても標高は約10mです。
2.御勝山(標高14m)
3.茶臼山(標高26m)
茶臼山は大坂冬の陣で徳川家康が陣をかまえ、つづく夏の陣では真田幸村が陣を敷いたところです。
なお真田信繁が本名で、幸村は後世につけられた通り名であって、存命中に本人が幸村と名乗ったことはないようです。
4.聖天山(標高14m)
ここにいたるまで、どの道程もなかなかユニークでしたが、やはり3山目の茶臼山から4山目の聖天山までの道程が、とくに大阪初訪問の方にとっては衝撃的ではないかと思います。
なお新世界については以前くわしく紹介しましたので、よろしかったら以下のサイトでご覧ください。
https://yamasan-aruku.com/aruku-96/
5.帝塚山(標高20m)
6.昭和山(33m)
このように渡し船で運河をわたる箇所が、この周辺だけで8か所あります。
すべて大阪市の運営で、「公道に架かる橋の代わり」という位置づけになり、無料です。
今回使ったこの渡し場についていえば、平日の朝夕は10分毎、昼間は15分毎に往復してくれます。
7.天保山(標高4.53m)
このあたりは大阪港の近くで、かつては海であり近世になってから埋め立てられた土地柄のため、歴史的な建造物も遺跡もありません。かと言って新世界周辺のように思わず固まるような貼り紙もなく、そのため写真に撮影するものがありませんでした。
天保山はかつては日本一低い山でしたが、いまは二番目に低い山になっています。
経緯を書いておきます。
2010年まで、標高4.53mの天保山が日本一低い山、二番目に低いのは仙台市にある標高6.05mの日和山でした。ところが2011年に起きた東日本大震災により地盤沈下し標高3mに下がったため、天保山は日本一の座を譲ることになりました。
このことで大阪人のなかには不満をもつ人もいるようなのですが、この話には実は過去があります。
かつて(1971年調査時)天保山の標高は7.1mあり、日和山が日本一、天保山は二番目でした。ところが高度成長にともなう地下水のくみ上げすぎで地盤沈下がすすみ、標高が4m台まで低下。ここで日本一の座を奪取したわけで、今回は奪還されたのではなく、返還したと考えるべきでしょう。
【アクセス】大阪メトロ森ノ宮駅~1.3km~真田山~2.1km~御勝山~2.7km~茶臼山~2.7km~聖天山~2.0km~帝塚山~4.9km~昭和山~5.2km~天保山~大阪メトロ大阪港駅
【満足度】★★★☆☆