比叡山には京都側から登るのが正しいか
【京都市 2024.1.27】
昨年の1月に
滋賀県の坂本から比叡山に登ったのですが、日吉大社の鳥居をくぐりそうして神域に足を踏み入れてから登山を始める、それが正しい比叡山の登り方だとそのときのブログに書きました。あくまでこれは自論であり、文中でも「個人的な自論」とことわっています。
ところが先日、京都に住む知人からそのブログを読んで、これでは京都が軽視されているとクレームをつけられました。
京都を軽視するつもりがもちろんないだけでなく、そもそもこの私的なブログをそれほど多数の人が読んでいるはずもなく、ましてやこのブログを読んで比叡山の登山ルートを決める参考にする人となると、過去に一人でもいたのかどうか。それはそうだが、と知人が言うには、滋賀県側からの登山ルートを薦めながら京都側からの登山ルートについて何も書かないのは片手落ちではないか。
なにが片手落ちなのかよくわかりませんが、学生時代に京都に出てきてその後も京都好きでずっと京都で暮らす知人と話をしているうちに、久しぶりに京都側から比叡山に登るのも悪くないかと思うようになり、別れるときには近々修学院からのぼって大原まで歩いてみると約束していました。
自分の愛する街で暮らす人から我が町自慢をきくのは楽しいだけでなく、最高の情報収集になります。
修学院から雲母坂、キララ坂城跡
京都側から比叡山に登る場合、もっともポピュラーなルートは京都一周トレイルにしたがって銀閣寺手前から北白川をぬけて上がるか、修学院から音羽川をさかのぼり離宮脇をのぼるか。
今回はおよそ20年前にはじめて比叡山にのぼったときに使った後者の道を選びました。
20年前に登ったときには興味がなかったので気づきませんでしたが、知人から教わったとおりたしかに雲母坂の終点にはキララ坂城跡がのこっていました。
築城は南北朝時代と思われるもののはっきりしませんが、浅井・朝倉氏が織田信長と敵対して比叡山に上がった際に改修して陣を構えたことは史実として伝わっています。
ケーブル比叡駅から比叡山延暦寺
比叡山とは延暦寺の伽藍がならぶ山並み全体のことを総称したもので、それゆえ「比叡山山頂」というものは現実には存在しません。
比叡山の山並みの中でもっとも高い頂は大比叡と呼ばれており、延暦寺の中心伽藍の南にそびえていますが、山頂からは眺望もなく一度しか足を運んだことがありません。
今回もパスさせてもらい、京都一周トレイルにしたがって歩きます。
延暦寺・東塔~西塔~
延暦寺は現在1,000円の共通券ですべての伽藍を回れるようになってます。言い換えると無料ではどこも見て回れません。
大比叡の山頂まで登るには伽藍に立ち入らないので拝観料はいりません。
問題は、山歩きが主目的でありながら東塔、西塔、横川のいずれかを通り抜けねばならない場合ですが、拝観料は要るか否か。
サイトで調べると、山登りで歩いていると説明すると払わなくてよかったという人も、「支払わされた」という人もいて、正確なところがわかりません。
ただ今回歩いたルート上では発券場がないので「支払わない」のではなく「支払えない」と考えて、気遣いなく歩きましょう。
横高山、水井山
比叡山の尾根伝いにあるいくつかのピークのうち、北寄りの横高山と水井山をつづけて越え歩を進めましたが、この急坂のアップダウンは山歩きも後半になり疲労もたまってきているのでなかなかきつい。ちなみにこの道筋は京都一周トレイルに沿って歩いたものです。
山歩きに慣れていない方は横高山の急斜面にとりつく直前の分岐で横川に向かい、横川から林道を歩いて坂本へ出るずっと楽なルートもあります。
仰木峠~東海自然歩道~野村別れバス停
この分岐で京都一周トレイルは左の斜面を下って行きます。この坂はなぜかボーイスカウト坂と呼ばれているのですが、何を考えてこの急斜面を山道としたのか呆れるほどの急坂です。
以前雪がないときに下った時でさえも肝をつぶしたものですが、この雪を考えるととても下る気になりません。
そこで直進して東海自然歩道を通ることにします。
ここから右折して北へ1㎞行くと大原にたどり着きます。
観光客の多い時期には、大原-京都市街のバスは満員になり途中のバス停からではなかなか乗れないので意図して大原までゆき始発となるバス停から乗ることをお勧めしますが、いまの時期は問題なく乗れるため最寄りの野村別れバス停に向かいます。
【アクセス】叡電修学院駅~雲母坂~キララ坂城~京都一周トレイル~延暦寺・東塔、西塔~横高山~水井山~仰木峠~東海自然歩道~野村別れバス停 / 24000歩、5h30m
【料金】今回のルートでは延暦寺の拝観料は要りません
【満足度】★★★★☆