富田松山城では瀬戸内海の眺望も楽しめる
【岡山県・備前市 2024.4.25】
岡山県備前市の、瀬戸内海の入り江が深く入り込んだところ、まるでその入り江を見わたすかのような山上に富田松山城はあります。
歴史を簡単に書いておきます。
世が応仁の乱をへて戦国時代に突入したばかりのころ、備前の国では浦上氏が勃興します。父親が亡くなり、兄・政宗と弟・宗景が争いはじめます。ことの発端は、北から浸食してきた大勢力の尼子氏に対して政宗は従属することを選び、宗景は対抗することを主張します。この兄弟での争いのなかで宗景が天神山城を主城とし、富田松山城を支城としてつかっていたようです。
さてこの兄弟争いの結果ですが、西の毛利氏の助勢をうけた宗景が勝利し備前一国、さらに一時は東の播磨にまで勢力をのばす戦国大名となります。ところが家臣であった宇喜多直家がしだいに頭角をあらわし、ついには浦上氏を追放、やがて富田松山城は廃城となります。
登城というよりほぼ登山
登山のためのアプリYAMAPにも、「富田松山」の名称で登録があります。
標高は低い(209m)ながらも、山城に上るというより、山に登る感覚です。
もっとも難所はありませんのでスニーカーで十分です。また登城口から少し上がったところに貸杖ならぬ貸スティックがありました(無料)
東出丸
本郭
案内板の縄張図でいうと、いま右下から接近し、「堀切り」をみて「搦手筋」を歩いていることになります。
このあとまっすぐ進んで大手曲輪と大手帯曲輪、二の丸から本丸へと見て行きます。
井戸跡の周囲につまれた石はうさん臭い(近年に積み直したものでは?)ですが、全体的に保存状態は良好です。
本丸
JR備前片上駅から徒歩45分ほどで、東出丸にたどり着きます。山上とはいえスニーカーで十分上がれますので、美しい入り江の風景をたのしむことも兼ねて訪ねてみてはいかがでしょうか。
余談ですが、ドジャーズに入団した山本由伸選手はこの町の出身だそうです。駅や役所に垂れ幕がありました。
【アクセス】JR備前片上駅から徒歩40~50分
【満足度】★★★★☆