羽衣石はハゴロモ石、羽衣石城はウエシ城

【鳥取県・東伯郡湯梨浜町 2025.3.1】
鳥取県は東西に長細い地形ですが、ちょうど中央あたりの日本海寄りに東郷池があります。
最寄りの駅はJR松崎駅、そこから内陸にむかって1時間余り歩くと羽衣石うえし山に着きます。

その山腹には天女が舞い降りて羽衣をそこに掛け水浴びをしたとの伝説がのこる羽衣石はごろもいしがあります。羽衣石の伝説から羽衣石うえし山の名がのこり、その山上に築かれた城ゆえ羽衣石うえし城と呼ばれることになったのでしょう。

羽衣石城は南北朝時代の出雲の守護・塩治高貞の次男・南条貞宗が築城し、この貞宗がのちに伯耆一円の有力国人として名をのこす南条氏の始祖とされています。
南条氏はこの羽衣石城を拠点にして主に東伯耆の支配をはかりますが、戦国時代になると山陰地方の各地がそうであったように尼子氏、大内氏、毛利氏、織田氏が入り乱れ、幾たびかの攻防の末に最期は南条氏が属する関ヶ原の戦いで西軍が敗れたために廃城、230年の歴史に幕を引きます。

羽衣石山にむかって

歩くのは公道ですが、車はほとんど走っていません
中央の盛り上がった山が羽衣石山

羽衣石山をのぼる

中腹まで車で上がれます / ここが駐車場
駐車場にあった案内板から抜粋
頭上の枝葉が笠になるため積雪が少ない
足跡がのこるのでその上を歩く
人工の石垣ではない
要路沿いなので防御につかったようです
頭上に枝葉がなく日の当たらないところは雪が深い

羽衣石城

帯曲輪、左上に主郭
階段道があったのでいったん反対側へと上ります
主郭とは一段低い位置にある曲輪
主郭へと上がります
主郭
当時は天守はありませんでした
平成の時代につくられた模擬天守です
主郭から東郷池と日本海をのぞむ
大手から登りました、搦手へと下ります
主郭から一段下へ / ここに虎口がある
主郭の前縁をなす曲輪
岩場の急坂をくだる
羽衣石

登りの大手道にくらべると搦手道は道幅がほそく、積雪が残っているところでは足を滑らせないようヒヤヒヤしながら下りました。
同じ道を使いたくないのであれば、搦手道からのぼり大手道から下る方が無難です。
なお両道とも中腹にある駐車場から山道が伸びています。

鳥取地方は先週の雪から一転してここ5日ほどあたたかい晴天が続いていたため、大方雪は解けているだろうと思い防水加工だけしたタウンシューズできたのですが、山間部の日の当たらない場所はしっかり雪が残っていました。
難儀したのはそれぐらいのもので、松崎駅を出てからずっと静かな街歩き、そしてさらに静かな山歩きを楽しみながら羽衣石城へ。模擬の天守はご愛嬌と考えれば、城郭跡もそこそこに保存され、なによりも東郷池から日本海、さらに大山をのぞむ眺望は絶景です。

【アクセス】JR松崎駅~羽衣石山~羽衣石城~羽衣石山~JR松崎駅 / 22000歩
【満足度】★★★★☆