紀州の紀三井寺をたずねる

【和歌山市 2022.9.24】
先日(2022.9.3)たずねた滋賀の三井寺がなかなか良かったので、名前の類似からここも良いのではと勝手に期待して、和歌市内でもずっと南にある紀三井寺まで歩いてみることにしました。
和歌山城から5.5km、1時間ほどの道のりです。
ところが、紀三井寺は三井寺とは何の関係もありませんでした。
そもそもは奈良時代に唐の僧・為光(いこう)上人により千手観音を尊像として開基されました。
鎌倉時代には僧侶の数も500名を越え、江戸時代には紀州徳川家の歴代藩主がたびたび参詣したとのことですからこのあたり一帯ではもっとも大きくて由緒ある寺院だったのでしょう。
紀三井寺の名は、紀州の、三つの井戸がある寺からきているようで、いまも山内では清浄水(しょうじゅうすい)、楊柳水(ようりゅうすい)、吉祥水(きっしょうすい)の三井より清水が絶えることなく湧き出ているそうです。
なお正式な寺号は、金剛宝寺といいます。

紫色のマークが今回訪れた場所です。

和歌山市内を南へあるく

和歌山市中心街の立派な道路
途中に立ち寄ったお寺(延命院)
中心街を離れると、退屈な道が延々とつづきます。

紀三井寺

紀三井寺・楼門

紀三井寺に到着しました。
歴史を感じられない楼門、シャッターを閉めた商店、正面にある電信柱、数々の看板 – – –
これから参詣するのが憂鬱になるようなシチュエーションではあります。

231段の階段の「男厄除」部分
231段の階段の「還暦厄除」部分

楼門をくぐると、231段の階段が目の前にそびえます。ウッと思いますが、右横のコンパクトケーブルカーで上るとケーブルカー代400円、プラス拝観料200円ですが、歩いて上るとケーブルカー代金だけでなく拝観料も無料になると書いてあり、ぐっと元気が出てきました。
もちろん歩いて上ります。

階段を登り切ると、和歌の浦を遠望できる
六角堂
鐘楼

本堂

本堂
本堂 / 別の角度から
本堂・正面
本堂・正面

多宝塔と三社檀現

三社檀現
三つの社が一つ屋根の下に

三社檀現とは三社権現と同じ意味で、ここでは白山妙理権現、熊野三社権現、金剛蔵王権現を祀っています。
なお三つの社が並んでいるのはよく見ますが、その三つの社が一つの屋根の下にすっぽり収納されているのは珍しい光景です。

多宝塔
三社檀現からくだる

大千手観音立像と御霊木

12mの大千手観音立像 / 仏殿にある
霊木 / 樹齢400年の大楠
ソメイヨシノ

本堂の正面わきにたつソメイヨシノ。
関西ではもっとも開花が早いとされ、このソメイヨシノの開花状況によって、近畿地方の桜の開花宣言がおこなわれるそうです – – -それにしても貧相なソメイヨシノですね。

【アクセス】南海和歌山市駅から和歌山城を経て歩いてきました。(JR紀三井寺駅からだと徒歩10分)
【満足度】★★★☆☆