大阪の最高峰(?)金剛山にのぼる
【大阪府・千早赤阪村 2022.10.30】
金剛山は、大阪府と奈良県の境に位置し、いわゆる山頂は間違いなく奈良県側にあります。
ところが金剛山というと、多くの人(とくに大阪人)は大阪の山と信じています。ガイドの中にも「大阪の最高峰で標高1125m」と書いているものさえあります。
どうしてこのような勘違いが起きているのかといえば、なによりも金剛山に上ると言えば、(おそらく)100人中99人以上の人が大阪側からの登っているがためでしょう。金剛山に上る道は俗に48本あると言われていますが、主要な道はすべて大阪側からあります。それどころか大阪側からはロープウェイすらあります。(このロープウェイは現在停止中です)
もう一つの理由は、金剛山の名を知らしめている千早城が、楠木正成(くすのきまさしげ)の出身地である千早赤阪村とともに大阪府に属していることもあります。楠木正成といえば大阪、千早赤坂は大阪、それゆえ金剛山は大阪の山ということになったのではないでしょうか。
今日はその金剛山にのぼり、千早城(跡)に寄ってみます。
紫色のマークが今回訪れた場所です。
黒栂谷道
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金剛山登山口バス停から歩きはじめてすぐにこの分岐に出会います。
右が千早本道で大半の人がこの道をつかいますが、今日は人が少ないだけでなく、登山道としておもしろい黒栂(くろとが)谷道からカトラ谷ルートを歩きたいので左に折れます。
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このゲートがひとつの目印になります。
まっすぐゆくと黒栂谷道からカトラ谷、右の道をすすむと妙見滝のあるタカハタ谷ルートに入ります。
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黒栂谷道からのルートはずっと渓流沿いを登ってゆきます。
本来それほど難しいルートではないのですが、倒木のひどい場所や山道が崩れている箇所もあり、十分に注意が必要です。
(現地で通行禁止のロープは張られていませんでしたが、ネットの道路情報では注意勧告が出ています)
★黒栂谷道からカトラ谷を通る予定でしたが、途中で道を誤り、ずっと脇道を上っていたことに後から気づきました。
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金剛山頂
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山頂に到着しましたが、じつはここは最高標高地点ではありません。
というのも金剛山の山頂(標高1125m地点)はこの先にある葛木神社の本殿奥にあり、神域のため立ち入りできないので、この見晴らしのよい国見城跡地を「金剛山頂」の代替地としています。
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紅葉
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寺と神社
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金剛山をのぼって心身を鍛え、さらに葛木神社にお参りするため千日登山どころか二千回、三千回と登山を続けている人が多数いるそうです。
法転輪寺は昔は栄えていたそうですが、明治初期の神仏分離令で廃寺となり荒廃し、その後昭和の時代に再興されたそうですが、いまは訪れる人もほとんどいません。
千早本道
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下りは千早本道をつかいます。
はじめの内は紅葉を眺めながらハイキング気分ですが、じつは千早本道は階段がひたすら続きます。
登りもずっと上り階段では楽しくないでしょうが、下りはそれ以前に足への負担がきつく、この道は好きではありません。
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千早城跡
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千早本道を2合目あたりまで下り、道標にしたがって横道に入ると千早城跡につきます。
楠木正成が金剛山腹に築き、わずか500人ほどの軍勢で、鎌倉幕府軍5万とも12万ともあるいは30万ともつたわる大軍を相手に数か月にわたって戦い抜き、ついには退却させたという「千早城の戦い」の跡地です。
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むかし(昭和の頃?)は押しよせるほどに観光客がきたのでしょうか。売店や茶店が廃墟となって残っています。
そもそも建てて商売していた人が片付けるべきなのでしょうが、もう十年も二十年も雨ざらしなのですから自治体でなんとかしてほしいものです。
そもそもなぜこんな場所に出店することを許可したのやら、行政の謎ですね。
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千早神社は楠木正成、その嫡男の正行を祀っています。
千早城の二の丸にあたり、この神社の背後に本丸があったようです。
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樹間に西日が差しこむ美しい風景をさいごに見て、満足して帰路につきます。
【アクセス】近鉄富田林駅、近鉄河内長野駅からバスあり
【満足度】★★★☆☆