日本でいちばん古い道・山の辺の道をあるく

紫色のマークが今回訪れた場所です。

過去に2度ほど桜井側から歩いたことがあるので今回は天理側から歩きはじめることにします。

天理市は駅(JR、近鉄とも同じ駅舎）から東口へ出てそのまま進むと、みごとに天理教の教団施設が立ち並び、まるで宗教都市の観があります。
誤解のないように言っておきますと、掃除は行き届いているし、いたって静かで穏やかな町です。

石上神宮は鶏を神の使いと崇めており、烏骨鶏などのやたらに元気のよい鶏が境内を歩き回っています。
鳥類の苦手な人には恐怖かも知れませんが、恐れるのではなく畏れ多いとかしこまって参拝してください。

夜都岐神社(やつぎじんじゃ)は、春日大社とたいへん縁がふかく、明治維新まではここから春日大社へ神饌(しんせん：神へのお供え）として蓮のお供えをし、かわりに60年に一度、春日大社からは若宮社殿と鳥居が下賜されていたそうです。
もちろん祀られている祭神は、春日大社の四神です。

言い伝えによると、空海(弘法大使)が先ほど通った日本でいちばん古い神社・大和神社の神宮寺として建立したものだそうです。
神宮寺とは、神仏習合の時代に神社の付属として建てられた寺院のことをいいます。

ところでこの長岳寺が山の辺の道のちょうど中間点辺りになります。

大神(おおみわ)神社は背後の三輪山に宿る大物主大神(おおものぬしのおおかみ）を祀るため、三輪山そのものがご神体で、拝殿の奥には三つ鳥居があるのみで本殿はありません。

なおここも日本最古の神社を自称していました。最古かどうかはべつにしても大変由緒ある神社であることは確かです。

たいへん貴重なものを見かけました。
ここの手水口はよくある龍ではなく蛇です。

龍は水神ゆえに手水口となっているのですが、もとはこの水神の役は蛇だったそうで、蛇では気色悪がる人がいるため日本では龍にしたと聞いたことがあります。
ここでは元の蛇が手水口になっているのは、起源がそれだけ古いということでしょうか。
なお「水道の蛇口」というのは、この蛇の話がもとになっています。

平等寺は大神神社の神宮寺ですが、こちらは聖徳太子建立とも伝えられる曹洞宗のお寺です。
なにかのイベントをやっていたためあまり写真を撮っていないのですが、見ごたえあるお寺でした。