【大阪府・河内長野市 2025.9.23】今日のぼる山は金剛山系にありながらまったく人気のない山です。その山名は根古峰ねこみね、と聞いても大阪在住の登山愛好家ですらほとんどの方が知らないでしょう。一日に平均3人登るとして年間1000人、そのうち990人の方はつまらん山だったとぼやき一月もすればそんな山に登ったことすら忘れるかもしれません。奈良県の二上山から大和葛木山をへて金剛山系へ、この人気の山々をつないであるくルートが関西の登山愛好家なら5回や10回は(あるいは人によっては百回以上も)あるいた経験のあるダイアモンドトレイル(以下、ダイトレ)です。そのダイトレを金剛山から岩湧山へと歩いていると、【根古峰山頂... Read More | Share it now!
大阪で暑いときに登山をするなら、能勢妙見山
【大阪府・豊能郡能勢町 2025.8.26】もう8月も終盤だというのに、いまだに大阪では猛暑日がつづいています。そんな状況下で、どこか山歩きに行けないものかと探してみました。京都も奈良も内陸になるゆえかさらに気温が高く、敬遠。神戸あたりはすこし気温が下がるものの、海寄りの山は岩盤質で樹林がすくなく木陰がないので夏場に山歩きは、不向き。もうすこし内陸にはいると京都や奈良と同じように気温は大阪よりも高く、パス。滋賀県の比良山系は琵琶湖がたくわえる豊富な水の影響か風が吹けば体感気温はぐっと涼しく感じられるのですが、山登り自体がきつくて今は体調が万全でないゆえ、断念。 では諦めるのかというと、長年関西一円を歩き回ってきた経験から、引出は他にもあります。大阪の最北端に位置する能勢町、ここは穴場です。なにが穴場なのかというと、大阪にありながら涼しい。天気予報で確認すると、今日の大阪市内の最高気温が36度、能勢町の最高気温は33度、早朝に家を出てめざす能勢妙見山を8時頃から登りはじめ正午前後に下山してしまえば、楽勝。であることを期待して、いざ出発。※正確には能勢妙見山は山頂付近にある寺院の名称であり、山の名としては「能勢」がつかない、「妙見山」と呼ぶべきようです。 初谷渓谷コース 妙見口駅近くにあった案内板より抜粋 前回2年前に歩いたときには、③の上杉尾根コースを登り、➃の初谷渓谷コースを下りました。登り下りともに大変良かった記憶があります。そこで今回は逆に初谷渓谷コースを登り、どのルートで下るかは山頂に着いてから考えることにします。先に結末を言いますと、山頂に着いた時点では➀の大堂越コースを下るつもりだったのですが、ふと気が変わって手前の新滝道コース(地図にはない➀と➂の中間あたり、リフト・ケーブル跡沿いにある道)をくだり、これが失敗でした。 妙見口駅から田園の中を、初谷渓谷コース登山口へ ここが入口です 渓流沿いの林道を歩きます 路面は自然の土、樹林で木陰、かたわらを渓流この3つがそろえば、暑さはぐっとやわらぎます。 なんとも涼し気なところに出てきました。実際にこのあたりは風が吹き抜けて快適でした 途中にあった、石で作った卵と牙のオブジェよくわからんので、写真だけ撮っておきます 渓流を渡渉する ここから渓流渡渉がはじまる 途中から渓流の渡渉をくりかえすことになります。前回この道を下った時には、渡渉した記憶はあるもののそれほど大変だった思いはないのですが、今回は昨夜の山間部での大雨の影響でしょうか、水量が多くてけっこう難儀しました。 十数回の渡渉があります 渓流を安全にわたるコツがあります。足元を濡らさないように岩の上を歩くと、足をすべらせて渓流に尻もちをついてずぶ濡れ、あるいはケガをすることもあります。このさい足元が濡れることは気にせず、水中の歩きやすいところに足を突っ込むことです。濡れても夏場ならすぐに乾きます。それでは冬場ならどうするか? 冬場に渓流渡渉はしない、それに限ります。 山頂の能勢妙見山(宮)へ このあたりから山道らしくなる 道が崩落したところもあるが、危険というほどでもない 緊急連絡する際の位置をしらせる番号札これが道標の代わりになる ここまでくると山頂も近い さいごに急坂をのぼる 能勢妙見山(宮)の鳥居寺でありながら鳥居があるのは、神仏習合のなごり 本殿 この寺院の正式名称は、「無漏山眞如寺むろさん しんにょじ... Read More | Share it now!
雪の金剛山は、やっぱりカトラ谷ルートで登る
【大阪府千早赤阪村 2025.2.10】半年ぶりに金剛山を登りに行きます。今回は雪の金剛山、そうなると5年ぶりぐらいになります。どのルートから登ろうかと考えましたが、やっぱり一番好きなカトラ谷ルートを登ることにしました。なんども登っている金剛山ですが、前回雪の金剛山に登ったときはもっともポピュラーな千早本道だったので、「雪の金剛山をカトラ谷ルートで登る」となるとはじめての体験ということになります。こうして登る季節やルートを替えて組み合わせると、常にはじめての体験ができていつも新鮮に楽しめます。 黒栂谷道へ 左は黒栂谷道へ、右は千早本道へ 普段の休日なら99%の登山者が千早本道へ向かいますが、今日は平日でもあり氷瀑や雪景色を楽しむ目的のリピーターが多いのか1割ぐらいは左に折れてゆきます。(それでも千早本道への登山客が9割) 左はカトラ谷へ、右はタカハタ谷へ(カトラ谷へ直進する黒栂谷道からはすこし逸れています) 腰折滝の氷瀑が有名だからでしょうか、ここで8割ぐらいの人がタカハタ谷に向かいます。聞いたところでは、冬のタカハタ谷ルートは休日ともなると腰折滝の氷瀑目当ての登山者が殺到(やや大袈裟)して道幅の狭いところでは渋滞するそうです。 ところで前方で屈んでいる方は、ここでアイゼンを装着していました。ちなみに千早本道はなんとかなるかもしれませんが、雪のカトラ谷やタカハタ谷ルートではアイゼン(あるいはチェーンスパイク)は必携です。 まだこのあたりは林道の趣きです 山水がながれる一帯は一面の氷結 カトラ谷を登る 1番目の滝は左側をロープをつかって登る 2番目の滝は右から巻くように上がります この谷を遡ってゆきます/... Read More | Share it now!
雲山峰は大阪の山と言ったら和歌山の人に怒られる?
【大阪府・阪南市~和歌山市... Read More | Share it now!
行基上人の足跡をたどって、堺から狭山へ
【大阪府・堺市~大阪狭山市 2025.1.20】行基上人は正真正銘のえらい人だと思います。14歳(15歳?)で出家し薬師寺(奈良市)で法相宗を学び名を行基とあらためます。そこまではフツーの出家者なのですが、やがて自分だけがどれだけ学ぼうがこれでは誰ひとり救えないと思いいたります。飛鳥時代当時の僧侶の役割とは、中国(隋または唐)から仏教を取り入れそれを学問としてまなび、知識として吸収し寺院を建立することでその教えを定着させることでした。そんな時代に行基は寺から俗世にでて民衆に辻説法をおこないます。僧侶が直接民衆に説法をおこなうのは禁じられていた時代です。まず寺院が騒ぎ立てますが行基人気は高まるばかり、その説法の場にはときに一千人もがあつまるほどになり、ついに寺院は朝廷に讒言ざんげんしてまで弾圧をつよめます。行基はといえば弾圧なんぞどこ吹く風、説法であつまった人々を指導し先ずは布施屋(貧しい人たちの救護施設であり宿泊施設)をつくり、さらに民衆のための土木事業にも着手し、橋をかけ用水路を掘り溜池をつくります。※井上薫氏の「行基事典」をもとに国土交通省が作成した図表には、行基がたずさわったインフラとして、池(溜池)15、溝(用水路)6、堀4、樋(水門)3、道1、橋6、船息(港)2、布施屋9とありました。 開口あぐち神社 赤鳥居 本殿 神仏習合の時代には寺と社が混在した<境内の案内図より抜粋> 開口あぐち神社は奈良と堺をむすぶ日本最古の官道(国道)である竹内街道の西端に位置し、堺の港を守るために建立されたと伝えられています。かつては広大な敷地内に行基が建立した念仏寺が存在したそうです。いまは念仏寺は廃寺となり痕跡すらありませんが、いまも神社でありながら当時の愛称から「大寺さん」とも呼ばれていると説明板にありました。 堺をあるくと古墳にあたる 大きな交差点を越えて東南方向へ陸橋の錆び具合からも自治体の困窮ぶりが伺えます 仁徳天皇陵の脇をかすめ、 大仙公園から履中天皇陵をのぞみ、 文殊塚古墳のまえを通る 家願寺えばらじ 本堂... Read More | Share it now!
箕面から六個山にのぼり五月山から池田へくだる
【大阪府・箕面市~池田市 2024.12.19】今年の春ごろから山に登ると息切れがひどくなる症状があり、急坂登りや長時間の山歩きは避けざる得なくなりました。山登りをやめるという選択肢はなく、それならば低山をハイキング気分で登ろう、ということで今回は箕面から六個山(395m)にのぼり、山道をつたって五月山(315m)、そこから池田市街へくだりました。結果を先に言うことになりますが、箕面から六個山までの道はまるで深山の雰囲気でなかなか楽しい山歩きが楽しめます。五月山は... Read More | Share it now!
日露戦争といえば「坂の上の雲」ということで司馬遼太郎記念館をたずねる
【大阪府・東大阪市 2024.8.21】日露戦争に関して調べていたところ、当然のように司馬遼太郎氏の小説「坂の上の雲」を読み直すことになりました。この「坂の上の雲」は司馬氏の最高傑作のひとつとされている作品で、たしかに主人公の秋山兄弟などは実に生き生きと描かれているのですが、脇を固めるはずの乃木大将はというとまるで能無しであるかのような。「坂の上の雲」における乃木大将の描かれ方があまりにも酷いということで以前から物議をかもしていたようですが、とくに21世紀になって乃木大将の名誉を回復するというより司馬氏のことを勉強不足と逆批判することを目的としたような書籍が複数出版されているようです。 司馬氏はひろい意味での天才を描くのが好きなのでしょう。坂本龍馬「竜馬がゆく」、千葉周作「北斗の人」、吉田松陰「世に棲む日々」、戦国の武将を取り上げたものでも北条早雲「箱根の坂」、斎藤道三「国盗り物語・前編」、秀吉「新史 太閤記」など。「坂の上の雲」においては、天才は秋山兄弟であり児玉大将ということになるのでしょうが、では乃木大将はかれら天才を際立たせるためにまるで道化のように登場させているのかというとそうでもない。なにやら司馬氏にとっては乃木大将を心情的に、あるいは生理的に受け入れがたいという一種嫌悪感のようなものをもちながら描いているかのように思えるのです。なぜ司馬氏は、きっと乃木大将についてそれほどの無能ではないと理解していながら(この部分は推測です)、なおも徹底して愚物ときめつけたのか。 そんなモヤモヤを解消する手がかりでもないかと思い、自宅からそれほど遠くないにもかかわらず今まで訪れる機会のなかった、東大阪市にある司馬遼太郎記念館をたずねてみました。 小阪はえらい下町 近鉄河内小阪駅からつづく下町っぽい商店街へ 司馬遼太郎記念館へゆくには近鉄河内小阪駅で降りますが、小阪はえらい下町です。(ここでつかう関西弁の「えらい」は、偉いではなく「ずいぶんな」といった意味合いです) 屋根の上にあるのが小阪城 グーグルマップを見ながら歩いていたところ、途中に「小阪城」とあるので寄ってみることにしました。現場についてもそれらしきものはなく、ふと見上げたところ民家の屋根の上に??!!それでなくても暑くてうんざりしているのに、コケそうになりました。まったく大阪人のやりそうなことです、きっと「小阪城」の名も「大阪城(大坂城)」に対するシャレでしょう。 小阪神社の参道(?)を抜ける こんなところに司馬遼太郎記念館なんてあるのか?と不安になるかもしれませんが、それがあるんです! それが大阪です。 司馬遼太郎記念館 司馬氏の宅地の一角に立てられた記念館 真正面から ぐるっと回って入口へ 先に書いておきますと、ここは司馬遼太郎の信奉者というくらいの熱烈ファンか、なにかの目的あって訪ねた人でなければ、すくなくとも大満足できる人はちょっといないと思います。 見るものといえば、膨大な蔵書(の一部)だけ。ほかは繰りかえし流れる映像を観るくらい。しかも館内すべて撮影禁止。入り口に「カフェOPEN... Read More | Share it now!
暑さ対策をかんがえて、早朝から交野三山にのぼる
【大阪府・交野市~枚方市 2024.6.13】今日の大阪の最高気温は33度予報。平地での気温が30度を超えると、日本アルプスのような2000~3000m級の山ならいざしらず、大阪周辺の山ではのぼる環境をえらんで登山にかからないと、山登りを楽しむはずが山登りで苦行を強いられることになりかねません。もちろん原因のすべては暑さによる熱中症あるいは脱水症にありますが、意識不明になるに至らないにしても、バテバテのヘロヘロになって下山したのでは、場合によってはそれを最後に登山なんぞ懲り懲りということにもなりかねません。そこで暑い時期にも山登りを楽しむ方法ですが、(思いきって日本アルプスへゆくなんてのは別にして)たとえば、①標高1000mあたりまでロープウェイやケーブルカーで行き、そこから歩きはじめる。スタート地点が平地より7度くらいは低いのですからそれは楽に歩けます。②全行程が樹林の木陰になり、さらに登山道の近くに川か渓流がある。この条件だと風でも吹けば体感気温は10度近くもさがります。③そしてこれがもっとも山の選びしろがおおく交通費の上乗せもせずにすむ方法ですが、早起きして早朝から登山をはじめ正午までには下りてくる。ということで、今日は③の方法でいってみます。 交野三山・龍王山 JR河内磐船駅から40分ほど歩いて登山口へ 大阪市内を朝7時すぎの電車で出て、河内岩船駅に着いたのが... Read More | Share it now!
金剛山、今日は登りも下りもはじめての道
【大阪府・千早赤阪村~奈良県・五條市 2024.6.10】以前にも書きましたが、金剛山の山頂(葛木神社のある葛木岳)はあきらかに県境をこえた奈良県側にあります。それゆえ金剛山はもしかすると奈良県の山と呼ぶべきなのかもしれませんが、大阪側からのぼる登山者の数が大げさでなく100対1かそれ以上という圧倒的な数の差ゆえ、大阪人としてはとうぜん大阪府の山であろうと勝手に認識しています。大阪側からのぼる登山者数が圧倒的に多いのは人口差だけではありません。著名な登山道はすべて大阪側を起点にしています。今日はそのなかでロープウェイ前バス停そばの登山口からスタートし、いったん伏見峠へのルートを進みます。ただこの伏見峠ルートは整備された道であまりに面白くないので、登山のアプリYAMAPで見つけた、おそらく金剛山登山者の1000人に一人も使わないであろう道を登ってみます。さらに下りですが、これは自分でもはじめての経験になりますが、奈良県側へ下ってみようと思います。奈良県側からの登山者そのものが非常にレアなのですから、登りがレア✕下りもレアということで、金剛山でこのルートで上り下りした登山客は、きっと100万にひとりいるかどうか。もっともレアな体験をするためだけにこのルートを選んだわけではないので、楽しい登山ができることを願いつつ、いざ出発。 ※... Read More | Share it now!
大阪市中心街で、けったいな神社寺院をまわる
【大阪市 2024.4.18】「けったいな」という表現は、関西それも京阪神あたり限定だそうで、それならば先に「けったいな」について説明をしておかねばなりません。一言でいうと、奇妙な、珍しい、といった意味になります。ところが具体的に「けったいな人」といった場合、「たいへん個性的な身なりの人」もあれば、「やたら自己主張の強い人」も含まれます。これらけったいな人を好きか嫌いかはそれぞれの判断に任せるべきで、けったいな人イコール係わりたくない人ではありません。今日は、大阪市内中心部(梅田キタから難波ミナミにかけて一帯)の、けったいな社寺をまわります。あまりにも小さいとか、社殿のデザインが奇抜とか、御利益が唯一無二とか、奇妙な神社、珍しい寺院の数々です。先にも書いたように、好みに合うか合わないかは人それぞれだと思いますので、あらかじめ地元の人に慕われていたり、SNSで大人気になっていたり、といったものを優先的に選びました。 梅田から歯神社へ 右上空にHEP... Read More | Share it now!