山登り,奈良

【奈良県・葛城市~大阪府・太子町 2023.6.14】「うつそみの 人なる我(われ)や 明日よりは 二上山(ふたかみやま)を 弟(いろせ)と我(あ)が見む」天武天皇の第三皇子だった大津皇子は、その優れた人柄を慕われ次の天皇と嘱望されていましたが、天武天皇が崩御すると突如謀反の疑いをかけられ、早々に自害に追い込まれます。もちろん権力争いに巻き込まれた結果ですが、大津皇子が人柄だけでなく、文武両道にすぐれ、さらにイケメンだったことから「悲劇のプリンス」と伝説化します。これは西暦7世紀のことで、なにを証拠にイケメンだったといえるのかとの声もあるのでしょうが、ブサイクとかクライと言われるより、「イケメンでカッコイイ」と言われる方が歴史に残しやすいのであり、歴史とはいろいろ情報操作しながら美化されてゆくものですから、ふかく考える必要はありません。 さて冒頭の句ですが、大津皇子が二上山に葬られることになり、実姉である大来皇女が弟を見送りながら悲しみの中で歌ったとされる万葉集のなかの一句です。「この世に生きている私は、明日からはあの二上山を弟と思って見ることになるのでしょうか」 なお二上山は、むかしは大和言葉の読みで「ふたかみやま」とよばれ、いまは「にじょうさん」と呼ばれています。今日はその二上山に登ります。 二上神社横の登山口が通れない 麓にある二上神社 その横の登山口が、なんと通行止め 二上山... Read More | Share it now!

山登り,滋賀

【滋賀県蒲生郡 2023.6.4】滋賀県と岐阜県、三重県の県境にそって鈴鹿山脈はあります。その連なりのなかでずっと南、さらにぐっと西に突き出たところに位置するのが綿向山です。標高は1110mありますが、山容はおだやかで、登るのにそれほど難儀することはありません。ただ、一昨日は線状降水帯が各地に発生する大雨で、このあたりもずいぶん降っています。そうなると地盤が緩んでいる恐れもあり、細心の注意が必要です。 バス停から登山口へ バス停から一般道路を歩いて綿向山へ 間道に入ります... Read More | Share it now!

街歩き・山歩き,山登り,和歌山

【和歌山県・橋本市~高野町 2023.5.27】『いくつ峠を越えたら願いが叶うだろう。巡礼者の一途さが宿る道』– -「... Read More | Share it now!

山登り,兵庫

【2023.5.21 兵庫県・高砂市~加古川市】兵庫県の西、大阪から見ると神戸、明石の海岸線を通り過ぎて姫路の手前あたりに、播磨アルプスと親しまれている山系があります。その山系のなかで最高峰の高御位山(たかみくらやま)はその山容の美しさから播磨富士との別名があります。ところで、高御位山が最高峰と書きましたが、その標高は304m。3040mではありません。この山系自体が低山の連なりで、標高から言えば「アルプス」とか「富士」とか呼ぶのはおこがましいかもしれませんが、海岸沿いの平野部にむくっと隆起した山々が馬蹄形につらなる様は、自分があるいてゆく山並みも歩いてきた山並みもすべて一望でき、眼下には瀬戸内海を見わたせ、まず眺望を十分に楽しめます。そしてこの山系特有の岩場の連続は、あたかも2、3千メートル級の山並みを歩いているかのようなアルペン気分を(少しは)満喫できます。 まずは豆崎奥山 登山口は駅からすぐですが、とにかく分かりにくい 民家の間から入りこむと、獣対策のネットがある いきなり岩場を登りますが、 これが意外にけわしい急坂 ぐんぐん岩場を登って豆崎奥山のピークへ 急坂ゆえに、短時間でけっこう上っています 左の峰を経て、中央から右へと峰々を歩きます 豆崎奥山につづくピークを過ぎると、大きな岩場が 岩場登り この岩場を登る 豆崎奥山のピークから2度アップダウンを繰り返すと、鹿島神社との分岐にでます。下れば鹿島神社、登りはこの岩場で、標高差は150m、斜面の長さ(距離)は200m。画像で見ると、ロープ無しではとても登れないようですが、岩自体が凸凹しているうえに表面が粗くてざらざらで、滑りにくい状態です。また直線的に見ると45度くらいの傾斜ですが、ジグザグに登って行くと、案外登りやすいのに驚きます。場所によっては登りやすいポイントに印が付けられており、さらに多くの先達が歩きやすい所を注意深く探しながら歩いた痕跡が目を凝らせば見えるていどに残っており、それらをたどってゆけば、初心者でも登れないことはありません。 高所の苦手な人には、下りの方が厳しい(?) ピークに到着... Read More | Share it now!

山登り,花、紅葉見ごろ,奈良

【奈良県・御所市 2023.5.9】一目百万本と称されるツツジが満開になった、大阪府と奈良県の境にそびえる大和葛城山を登りに行きます。昨年の大晦日に登った際には、東の大阪側から上り西の奈良側へ下りましたが、今回は奈良側から往復します。ただ同じ道を往き来したのでは面白くないので、ロープウェイ登山口駅から入り、すぐに右の道をえらんで北尾根コースを上がり、下りは前回も使った、もっともメジャーなルートである櫛羅(くじら)ノ滝をかすめる道を下りてみます。 大和葛城山へと歩く JR御所駅から大和葛城山へとあるく 一般道ですが、ずっと上りで高度を上げています 葛城天剣神社... Read More | Share it now!

山登り,神社・仏閣,大阪

【大阪府・岸和田市~泉佐野市 2023.5.3】大阪府と和歌山県との境をなすように東西につらなるのが和泉山脈。その中心的な存在として知られているのが和泉葛城山です。かつては宝仙山とよばれ修験の山として知られており、いまも山頂には葛城神社と龍王神社がのこっています。同時に山頂付近には天然記念物に指定されているブナ林が残るなど、山全体として落葉樹がおおく、それだけに春には新緑にすっぽり浸りながら山歩きを楽しめます。今回は、見事な紅葉で有名な(すなわち春には青モミジが美しい)牛滝山から入り、おなじく紅葉すなわち青モミジが魅力の犬鳴山へ抜けてみようと思います。 牛滝山・大威徳寺 山門... Read More | Share it now!

山登り,神社・仏閣,兵庫

【兵庫県・宝塚市 2023.4.27】宝塚市の南西部から神戸市へと西につらなるのが六甲山系ですが、その六甲山系の北側に宝塚市北西部から三田市へとやはり西にむけて別の山の列なりがあります。そのなかで宝塚市街地からもっとも近い中山にのぼり、大峰山を縦走して武田尾温泉へぬけるルートを歩いてみようと思います。 中山寺 中山寺・山門 この寺の言い伝えでは、聖徳太子が建立した最初の観音霊場とのことで、由緒はあるようです。古くから子授かり、安産祈願の信仰対象となり、皇族、貴族や武家、そしてしだいに庶民からも篤く信仰されてきたようです。ただ再建された建物が美しく造られすぎているのに加え、エレベーター、エスカレーター完備で寺院というよりも、「仏教関連テーマパーク」のようなので、ささっと参拝を終えることにします。 本堂への階段横にはエスカレーター 護摩堂と五重塔 本堂前面 本堂後面、大願塔 大願塔、鎮守社 大願塔から鎮守社、五重塔をみる 登山口へ 中山寺の墓地横をぬけて登山口へ 住宅街を抜けますが、けっこうな急坂 中山寺・奥の院へ 石階段がつづき、 地蔵がならび、いかにも参道らしい路 やがて山道らしい路に変わると、 夫婦岩にたどり着く この道沿いにはたびたびお地蔵さんがいます ここは岩をご神体として祀っています 奥の院 この奥の院もあたらしく改築されたもので、まわりの風景にとけ込んでいないため、樹木の陰から覗き見るような写真にしました。 中山山頂 このあたりは標識が整っています 樹間から丹波の山並みをのぞむ 延々とつづくフェンスは興ざめ 中山山頂からの眺め 大峰山へ向かうはずが、 大峰山へ向かうはずが、 中山から大峰山へ向かうはずが、どうしてもルートが見つかりません。それらしき分岐はあるのですが、標識はなく、分け入ってしばらく進んでみたところしだいに藪深くなり、確信がもてないので引き返しました。こういうことはよくあります。山頂までは標識がばっちりなものの、同じ道を下らずさらに山深く進もうとすると、標識がぱったりなくなってしまう。登山客が少ないから整えないのか、道が荒れていてお勧めできないので故意に標示しないのか。 下山途中、宝塚方向をのぞむ 大峰山は諦めて、間違いなく宝塚方面へ下りられる(と思われる)道をえらんで下って行きます。 登山道は楽しいのですが、どこへ向かっているのか さきほど山上から見えたゴルフ場の脇のようです ひょこり住宅地の端に飛び出しました グーグルマップで調べたところ、宝塚山手台という分譲地の最奥にいることがわかりました。結局大峰山とは真逆方向に来たことになります。いまさら大峰山をめざす気持ちにもなれないので、最寄りの阪急山本駅へと歩きます。 【アクセス】阪急中山観音駅~中山寺~奥の院~中山山頂~(ここで道を見失う)~宝塚山手台~阪急山本駅【満足度】今回は途中中断のため評価なし ... Read More | Share it now!

山登り,花、紅葉見ごろ,滋賀

【滋賀県・大津市 2023.4.20】滋賀県の琵琶湖西側につらなる比良山系は、西側の稜線は全体で奥比良とよび、東側(琵琶湖側)の稜線については、北半分を北比良、南半分を南比良と分け、その北比良よりさらに北側をリトル比良と呼びます。先月(3月11日)にはリトル比良の北端からスタートし、岳山~鳥越峰~鵜川越~寒風峠と稜線を縦走し、涼峠を通って下山しました。今回はその続きとして、まず涼峠まで登り、そこから南へルートをとってヤケ山~ヤケオ山~釈迦岳と縦走してみます。前回のリトル比良がその名のとおり少々リトルで標高500~700mの峰がつづいていたのに対して、今回はいよいよ比良山系の中心部に足を踏みこむため標高も1000m前後を歩くことになります。なかでもヤケ山からヤケオ山へはそうとうにハードな急坂登りがありますが、視界がよければ眼下に琵琶湖を見わたす素晴らしい眺望が楽しめます。 げんき村から涼峠へ 北小松駅から... Read More | Share it now!

山登り,花、紅葉見ごろ,大阪

【大阪府・泉佐野市、熊取町 2023.4.11】大阪府の南端に、和歌山県との境目をしるすように和泉山脈が東西につらなっています。そのなかに低山でありながら瀬戸内海をながめ、周囲の山々をのぞみ、ふたつのダム湖を見下ろしながら、ちょっとしたアルペン気分を楽しめる山があります。むかしから雨乞いの山として知られており、その名も雨山といいます。山歩きを彩ってくれる草花のなかでも、可憐であり華麗でもあり心癒されるミツバツツジの咲くころが、雨山を歩くにはベストではないかと思います。今年は全体に花の開花が異常にはやいのですが、本来なら今ぐらいがちょうど見頃になる雨山のミツバツツジがすでに散り始めていると聞いて、あわてて予定をくみました。 城ノ山 雨山にむかう途中にある神社のクスノキ 阪和自動車道の橋脚直下をぬける 道は思った以上に、山路らしい山道です 南西を見わたすと、かわいい泉州小富士山(260M) 曲輪跡 雨山には南北朝時代から城がつくられていました。ところが雨山の西にある、すなわち今登っている城ノ山にも城跡があり、以前は別々の城と考えられていましたが、近年の調査ではどうやらふたつの峰をセットにして城を構成していたようで、そこで城の名もふたつ併せて、いまでは土丸雨山城と呼ばれています。ここは元土丸城の、見張り用の曲輪跡と思われます。すなわち土丸雨山城のいちばん西の端の曲輪になります。 元土丸城の本丸跡と考えられていたところ 城ノ山をふり返り見る 雨山 岩の上をあるく場面もあります ミツバツツジが咲いています(実はだいぶん散っています) 雨山山頂に祀られた龍王社 雨山は雨乞いの山ですから、山頂には龍王社が建てられており、水の神である龍王大神を祀っています。右側にある木は、ヤマモモの老大木。 西ハイキングコース 雨山山頂から下ると、 熊取町が整備したハイキングコースに合流します 城ノ山(左)と雨山をふり返り見る ミツバツツジは半分以上散っていますが、 それでも十分に楽しませてくれました 一気に下って、鉄塔のある小さなピークを上ります 上永楽池 進行方向の眺め... Read More | Share it now!

山登り,花、紅葉見ごろ,奈良

【奈良県・宇陀郡 2023.4.9】奈良県北東部、三重県との県境に接するあたりに、室生山地あるいは室生火山群とよばれる山塊があります。これらの山々ですが、1500万年前の火山の噴火による火砕流堆積物が積みかさなって、ついには数百メートルもの堆積となり、さらに河川によって長い年月の間に浸食されて深い谷がつくられ、そうして特異な景観の山として現代にいたったものです。特徴としては標高1000m前後の峰が突き立つように立ち並び、その側面は柱状節理とよばれる多角柱の岩肌をみせています。また登山するには斜面はいずれも急坂で、ときに断崖絶壁を横目に見ながら歩くこともあり、スリルもあれば体力も必要とされ、そこそこ本格的な山登りが体験できます。10年ほど前にこの室生山地には魅せられて、全山登った経験があるのですが、このたび再度チャレンジしてみようと思います。まず最初は柱状節理の代表ともいえる名物の屏風岩を下から眺め、脇の道から背後へまわり、住塚山と国見山を登ってみます。 屏風岩公苑へ バス停から屏風岩(前方の五つの峰)を望む 大阪から近鉄電車でいったん三重県の名張まで行き、そこから1日数本のバスでおよそ1時間、長野バス停まできます。公共交通機関をつかうと、これぐらいしかアクセスの方法はありません。 屏風岩にむかって坂道を歩きます この辺りになると、車は屏風岩へ向かうもののみ ずいぶん上がってきています およそ1時間ほど歩いて屏風岩公苑に着きます。車もはしる一般道とはいえ、勾配はけっこう急で、長野バス停が標高450m、ここが標高770mなので、すでに320mも登ったことになります。 屏風岩と公苑の桜 西から中心部へ 中心部 中心部から東へ... Read More | Share it now!