谷戸城は土塁と堀が同心円状に配されたユニークな城郭

【山梨県・北杜市 2024.12.13】
山梨県の北西部に北杜ほくと市はあります。
ずいぶん辺鄙なところですが、家内の希望で市内にある平山郁夫シルクロード美術館を訪ねることになりました。ほかにも近所に訪ねるところはないかとWEBで確認していたところ、まず3,4kmほどの近さで、武田信玄の軍勢が信濃へより迅速に進行できるよう真っすぐに通した道(棒道)がありました。(これについては他のブログで書いています)
さらに調べていると谷戸やと城なる城がヒットしてきました。歴史的には甲斐源氏(武田氏の祖先)がつくった中世の城ということでさして興味は惹かれなかったのですが、画像を見ると石垣、石積の類はまったく存在せず、土塁と空堀で曲輪群を同心円状にぐるぐると巻くようにまもる実にユニークな城郭構造が目に飛び込んできました。
これはぜひ自分の目で見ておきたい、ということで早速出かけてみます。

谷戸城・外周をまわる

途中の駐車スペースに車を停めて城の外周を歩いてみます
一番上方が主郭相当部ではないでしょうか
現地にあった案内図より抜粋

図のちょうど真下あたりに駐車スペースがあり、そこから時計回りに現在地まで歩いてきました。
歩くのが面倒ならば北杜市考古資料館前にもっときちんとした駐車場があります。

ここからさらに時計回りにまわって北帯曲輪(郭)あたりまで進み、そこから斜面をあがって四の曲輪(郭)へと向かってみます。

四の曲輪、帯曲輪、五の曲輪、

右側には内の曲輪を守るように土塁がつづく
まわって歩くうちに結構な高さに上がっています
四の曲輪の外周にもられた土塁
四の曲輪から帯曲輪へ
帯曲輪 / 右は二の曲輪をまもる土塁
反対に向いてみる
五の曲輪

曲輪と郭はともに「くるわ」と読み意味はほぼ同じですが、厳密にいうと郭は「輪郭」などのように内と外をさえぎる線、ここでは土塁をさし、曲輪はその土塁にかこまれた平坦な部分をさします。
ただ現在ではそこまで厳密に使い分けはされていないようで、本や案内書をみても曲輪部分を「郭」と書いているものの方がむしろ多い気がします。

三の曲輪、二の曲輪

帯曲輪から三の曲輪へ、正面に一の曲輪(主郭)
虎口から三の曲輪方向
虎口から二の曲輪方向
同じ方向を土塁下におりて見る
三の曲輪から一の曲輪をみる
三の曲輪の土塁上から帯曲輪を見下ろす

一の曲輪

虎口から一の曲輪へ
一の曲輪の周囲にめぐらされた土塁

遠景

下ってゆきます
遠景ながら富士山が見えます

きれいに整備されすぎている点が気にはなりますが、かと言って草木におおわれていたのでは詳細がわからないし、これはこれで良しとしましょう。
いままでに見たことのない城郭構造に興奮させられ、さいごに遠景ながら富士山も眺められ大満足でした。

【満足度】★★★★☆