バレンタインデーに夫婦で竹中大工道具館へ行く

【神戸市・2025.2.14】
「ろくでなし」の語の由来をご存じでしょうか?
建築用語で「陸屋根ろくやね」とは水平な屋根のこと、「陸墨ろくずみ」は建築現場で水平をしめす墨跡、すなわちろくは「水平や平坦」から「まっすぐ、正しい、完全」などの意味をもちます。「ろくでなし」はその陸を否定しているわけですから「役立たず、ゲス」などの意味になります。

神戸市新神戸駅近くにある竹中大工道具館の門前に立つと、「ろくでなし」やら「うだつが上がらない」などの語の由来を問うポスターが迎えてくれます。門を入るといかにも楽しみが待っているであろう期待感がふくらみます。

竹中大工道具館へ

フラワーロードを北上し生田川を渡る
前方のビル群のかげに、
めざす建物はあります
門から庭、建物へと落ち着いた雰囲気
かんな型の入場券

古代から現代の大工仕事

展示室に入ると、釘も接着剤もまったく使わずに精巧に組み上げた寺社建築の復元物に目がひかれます。

唐招提寺金堂を修築するさい実際に使った型
実際に使われた成形木材を再現
作業の様子は画像でも見られる
唐招提寺・金堂 / 2024.6月撮影

唐招提寺の大修理に関してはネットの動画で検索すると、竹中工務店のものをふくめさまざまなyoutubeにてその修理の全容を見ることができます。

石斧の時代の道具
(当時のものかコピーかは不明)
ノコギリがなかった時代の丸太の割り方
吉野ケ里遺跡の古代建築 / 2023.1月撮影
(建物は復元されたものです)

吉野ヶ里遺跡の建造物はすべて復元ですが、城郭建築の先駆をみることができて大変参考になります。

法隆寺建立に使われた道具
(当時のものかコピーかは不明)
法隆寺 / 2023.6月撮影

法隆寺に関しては建築物そのものが感動ものですが、数々の謎もふくめてその建立された歴史を知ったうえで訪ねると興味は数倍増にふくらむはずです。
微力ながら下記のブログをご参照ください。
山さん歩く『法隆寺の謎』https://yamasan-aruku.com/aruku-155/

木と道具で遊ぶ

道具はしだいに改良されてゆく
カンナの精度の違いをオガクズをさわって確認
釘を使わずに木と木を固定させる
いかに固定させているか分解するのが楽しい
(これは分解したものの写真)
材木としての樹木による違いがさわってわかる
躙り口のある茶室 / 壁を塗るまえの木組み
これは木だけで描いています
鍛冶職人の作業場を再現

今日はバレンタインデーということで、家内の提案で神戸にあるフェリシモ・チョコレートミュージアムを訪ねる予定でしたが、チケット購入からしてネットでしか買うことができず、いざ買おうとするとフルネームや生年月日などの個人情報をしこたま入力させられることになり、なにやら印象が悪いので中止となりました。
そこで昼食をとりながらあらたな目的地を探した結果、先日関西のローカルテレビ番組でインバウンド客でにぎわう穴場として竹中大工道具館が取材されていたことを思いだして急きょ予定変更した次第です。
私にとっては歴史つながりで楽しめるであろうことは想定していましたが、畑違いの家内も大満足の様子でしたので、けっしてコアな博物館ではなく、多くの人がじゅうぶんに楽しめるところであると考えます。

【アクセス】三ノ宮駅から徒歩20分、新神戸駅から徒歩5分
【入場料】700円
【満足度】★★★★★